第59章

待ち合わせ場所はレストランだった。ちょうど食事時ということもあり、店内は多くの客で賑わっている。

まさか警察官が現行犯逮捕をする場面に出くわすとは夢にも思わず、周囲の客たちは好奇の視線をチラチラとこちらに向けていた。

野次馬根性丸出しで、事の成り行きを見守っている。

そんな中、一人の警官が現金の入った袋を安井綺世に返しながら言った。

「安井さんのご協力のおかげです。これで迅速に確保できました。大変でしたね」

安井綺世は恐縮したように手を振った。

「いえいえ、感謝するのは私の方です。警察の皆さんが助けてくださらなかったら、私はいつまでも彼女の脅迫と嫌がらせに怯えなければなりませんで...

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