第78章

相馬千冬はキャンプ場に佇んでいた。目の前に広がる空き地は、まるで最初から誰もいなかったかのように静まり返っている。

公園は依然として穏やかな空気に包まれていた。遠くでは他のキャンパーたちが焚き火を熾し、夜を過ごす準備を始めている。ただ一箇所、安井綺世と二人の子供たちがいた痕跡だけが、綺麗さっぱりと消え失せていた。

彼の瞳に冷たい光が宿る。不快感と共に、胸の奥で何かがざわついた。

だが、彼の第一反応は自分を省みることではなく、安井綺世がまた癇癪を起こしたのだと決めつけることだった。

彼は即座に電話をかけ、安井綺世を問い詰めた。

「どこにいる。なぜ俺を待たずに子供を連れて勝手に移動した...

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