第79章

安井皐雪が入院していたことは、もはや隠し通せる状況ではなかった。

それでも安井綺世は諦めきれず、極力その話題を避けようと曖昧に言葉を濁した。

「お祖父様、考えすぎですよ。皐雪はアレルギー体質ですから、入院する理由はいくらでも……」

「あの親不孝者を庇う必要はない!」

相馬祖父の顔色が曇り、安井綺世に向かって首を振った。

「お前の言いたいことは分かっている。これはお前たちの私事だから、わしのような老人が口を出すべきではないと思っているのだろう」

「だがな、これは二人の曾孫に関わることだ。お前が曖昧にするということは、子供たちの安全を軽視しているのと同じだぞ!」

安井綺世の表情が揺...

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