第116章

江川聖は生まれつき知能に障害を抱えており、その知能指数は決して高くなかった。

 だからこそ、翠川螢が「ゲームをしよう」と持ちかけると、彼は即座に目を輝かせたのだ。

 彼は子供のように手を叩き、翠川螢に向かって嬉しそうに言った。

「うん、うん! ゲームやる、ゲーム! ボク、ゲーム大好き!」

 その無邪気な江川聖の様子を見て、翠川螢の顔に浮かぶ企みの色は、より一層深くなった。

 家を出る時、彼女は皐月正山に大見得を切ってきたのだ。どんな手を使ってでも、必ず皐月夏帆と江川聖の縁談を成立させてみせると。

 なんといっても、今の皐月グループは、江川家が提示した二十億の資金援助を喉から手が出...

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