第22章

水色未羽は、今にも立ち上がって支配人に文句を言いに行かんばかりの勢いだ。

本気で怒り出した水色未羽を見て、皐月夏帆は慌てて彼女をなだめた。

「まあまあ、落ち着いて。せっかくのマッサージなんだから、リラックスしてよ……」

「私が言ってたあの駄犬っていうのはね、今朝私に噛みついてきた篠宮家のあれのことよ」

皐月夏帆の言葉を聞いて、水色未羽はあんぐりと口を開けた。

天下の篠宮グループ総帥、篠宮湊が、皐月夏帆の口にかかれば「人を噛む犬」扱いとは。

二人の施術を担当していたマッサージ師たちも、思わず白目をむきそうになった。

皐月夏帆が言う「篠宮家の犬」が具体的に誰を指しているのかは知る由...

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