第297章

「でもね、女の人にお金を出し渋るような男は、その人のことを愛してないってことなの」

「パパは今でこそママに夢中だけど、将来どうなるかなんて誰にも保証できないでしょ? だから私が先にテストして、ママが傷つかないようにしてるってわけ」

 明の理屈は少々哲学的すぎて、夜にはすぐには理解できなかった。

 彼女は小さな手で頭をポリポリと掻き、わかったような顔で、とりあえず頷いてみせた。

 同じ皐月夏帆と篠宮湊の子で、同じようにお腹の中に三十八週もいたはずなのに、どうしてこうも自分の知能指数は明と違うのだろう?

 明が語る高尚な理論が、夜にはどうもピンとこないのだ。

 だが、夜はすぐに納得し...

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