第300章

そう思い至り、篠宮湊は思わず眉をひそめた。

夢も当然、パパの困惑を察知していた。

彼女は知っている。今こそ自分の出番だと。

夢は湊の懐にすっぽりと収まり、甘えん坊な猫のような声で言った。

「いいよぉ。若葉おばさんがどうしてもパパと晩ご飯食べたいなら、パパ、おばさんと一緒に行ってあげて」

夢の許しを得て、若葉月は満面の笑みを浮かべた。

彼女には勝算があった。今夜、湊と二人きりで食事ができれば、学生時代の思い出話をきっかけに、彼との距離を一気に縮められる自信がある。

湊の性格なら、情にほだされて他の女との結婚を取りやめることだって、あり得ない話ではない。

「夢ちゃんはいい子ね。じ...

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