第50章

第11章

皐月夏帆の刺々しい態度にも、篠宮湊はさして気にした様子を見せなかった。何しろ、彼女はあのエーマ先生が娘の執刀医となることを承諾してくれたのだから。

本来、篠宮湊という男は、誰に対しても頭を下げることのない、傲岸不遜な人物だ。

だが、愛する娘のためなら、彼は誰に対してでも膝を屈する覚悟があった。

全身から拒絶のオーラを放つ皐月夏帆に対し、篠宮湊はこれ以上争うつもりはなかった。

彼は静かに口を開いた。

「本日は、皐月アシスタントが娘の手術を承諾してくださったこと、感謝します」

「明日、手術費用の六億をそちらの口座に振り込ませます。ありがとう、皐月さん」

篠宮湊の感謝...

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