第248章 他人の手を借りて人を殺める

 目が覚めたのは、午後三時だった。

 平川希の蝶の羽のような睫毛が微かに震え、視界に飛び込んできたのは真っ白な天井だった。彼女が身を起こそうとすると、高原賢治がさっと駆け寄ってきてその体を支える。

「他にどこか具合が悪いところは?」

 平川希は顔を上げてふわりと微笑んだ。「だいぶ良くなったわ。どれくらい気を失ってたの?」

「たいしたことはない。六時間だ」

「うん」平川希は布団をめくり、ベッドから下りようとする。

「何がしたい?」

 平川希はぱちりと一度瞬きをした。「トイレに」

 高原賢治はすぐさま屈むと平川希を抱き上げ、そのままトイレへと運び、彼女のズボンに手をかけた。

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