第289章 ふさわしくない

「それに、山内隼人という男は放っておけん」

 お爺さんの言葉が終わるか終わらないかのうちに、古谷匡史が慌ただしく駆け寄り、高原賢治の耳元で二言三言囁いた。

 高原賢治は平然とした表情で、小さく頷く。

 お爺さんは目を細め、「何かあったのか」と尋ねた。

「山内隼人は何者かに助け出されました」

 ……

 平川希はベッドに横たわり、当時の細かい出来事を思い返しながら、何か手がかりがないかと探っていた。その時、ドアが開く音がして、彼女が顔を向けると、高原賢治が歩いてくるのが見えた。平川希はすぐさま高原賢治に視線を向けた。「どうだった? 彼は……」

「すでに助け出された」高原賢治の声は穏...

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