第311章 犬が犬を噛む

車が猛スピードで走り去るその時、一台の黒い車が命知らずの勢いで道の真ん中に突っ込んできて、彼女たちの行く手を完全に塞いだ。

山本静香は目を見開き、急ブレーキを踏みつけて、かろうじて車を停止させた。

不意を突かれた山本綾乃は、体が激しく前のめりになり、フロント部分に思い切り顔をぶつけた。

「ああっ! あんた頭おかしいんじゃないの」山本綾乃は額を押さえ、痛みに顔を歪める。

山本静香は目の前の黒い車を見つめ、まだ動揺から抜け出せずにいた。

本当に狂ってる。

山本静香は窓を開け、外に顔を出すと、大声で怒鳴りつけた。「あんた運転できるの? 死にたいわけ?」

黒い車は微動だにせず、そこにぴ...

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