第314章 彼女を独り占めしたい

彼女は、高原圭太が帰ってこないのは、父の高原賢治に顔を合わせたくないからだとは言えなかった。また殴られるのを恐れて、外で時間を潰しているのだろう。

「でしたら、放っておきましょう。既然、皆だいたい揃っていますし、食事にしましょう」

 平川希の言葉に、お爺さんは眉間の皺を和らげた。

 平川希が笑って振り返ると、不意に背後の男と視線がぶつかった。高原章浩が、ねっとりとしたいやらしい眼差しで彼女を見つめている。

 平川希は眉をひそめ、目に濃い嫌悪の色を浮かべた。

 まだ懲りていないらしい。

 異常に気づいた高原美智子が前に出て、平川希の手を引くと、高原章浩を鋭く睨みつけた。

「あんた...

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