第331章 高原賢治の金、遊び放題

山本静香はそこでようやく、満足げに口角を吊り上げた。

手元の時計へと視線を落とすその仕草は、まるで全てが自分の掌の上にあると言わんばかりだった。

やがてオークションは最後の品へと差し掛かる。今宵最も価値が高く、誰もが熱い視線を注ぐ目玉商品——染付龍文の花瓶である。

スクリーンにはその見事な双耳瓶が全方位から映し出され、会場からは感嘆のざわめきが漏れ聞こえていた。

オークショニアもたっぷりと十分間を費やして解説を終え、ついに最も血湧き肉躍る競りの時間が幕を開けた。

平川希は、こちらをねっとりと見つめてくる山本静香へと淡く視線を流した。

後半戦に入ってからというもの、彼女は不気味なほ...

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