第344章 まさに疫病神

「圭太さんは見ていないのに、あなたには見えたのね?」と平川希は冷ややかな声で問うた。

「私は……」山本綾乃は一瞬言葉に詰まった。「あなたが裏でコソコソやってることなんて、私が見えるわけないじゃない」

「見ていないのなら、根拠もなくでたらめを言わないで」

「人前であんなに抱き合っていたんだから、裏でどれだけふしだらなことか」

「山本綾乃!」高原圭太は怒鳴りつけた。「これ以上でたらめを抜かすと、その口を裂くぞ」

山本綾乃は身をすくませた。高原圭太はいつもはふざけているように見えるが、ひとたび本気になると、すさまじい威圧感を放つ。

だが、今はこれだけ大勢の人がいる上、高原浩文もいるのだ...

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