第348章 証明は不要、私は信じる

山本綾乃がまだ状況を飲み込めずにいると、山本静香は彼女を睨みつけ、さらに声を荒らげた。

「あなたじゃなかったら、こんなことになってないわ。綾乃、どうしてこんなことをしたの」

平川希は、山本静香の狡猾さに感心せざるを得なかった。二重の意味を持たせたその言葉は周囲を巧みに欺き、山本綾乃に反論の隙を一切与えない。

このやり取りを見た者は皆、山本静香が山本綾乃に騙された哀れな被害者であり、すべての黒幕は山本綾乃なのだと信じ込んでしまうだろう。

先ほどまで二人を非難していた野次馬たちの矛先は、静香の言葉によって一斉に綾乃へと向けられた。

「なんだ、静香さんには関係なかったみたいだな。彼女も綾...

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