第354章 手加減は無用

「嫌だ、やめて、離して……助けて、誰か助けて、お願い、離してよ」

死にたくない。山本静香は必死に両手で宙を掻きむしり、異常なまでの生存欲を剥き出しにしてもがいた。

山内隼人は軽く手を振り、部下に彼女を放すよう合図した。

床に投げ出された山本静香は、無様に這いつくばりながら荒い息を吐いた。

山内隼人は面白がるような視線を彼女に落とした。

「お前みたいに利己的な女は、本当に命惜しさだけは人一倍だな」

自分が生き延びるためなら、平気で他人を売り飛ばす。

山内隼人はふと笑みをこぼし、何か面白い遊びでも思いついたかのように、机の上の拳銃を無造作に拾い上げ、銃口を山本静香に向けた。

山本...

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