第359章 治療をやめる

彼の長身がぴったりと彼女に密着し、顔を伏せてその唇を奪おうとする。

平川希は両手を伸ばして彼の顔を包み込み、そのキスを遮った。

「何する気? ここはキッチンよ」

「リビングに行ってもいい」

平川希は背筋が凍る思いがした。リビングにいる山内隼人のことを思い出したからだ。あんな目の前で見せつけたりすれば、あの二人は確実に殴り合いの喧嘩を始めるに違いない。

だめ、絶対にだめ。

平川希は勢いよく首を振った。

「高原賢治、本当にふざけないで。彼が助けてくれたのは事実でしょ。食事をご馳走するのは当然のことよ。あなただって食事一回くらいどうってことないじゃない。こんなことで嫉妬するの?」

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