第360章 また嘘をついたら、キスで唇を腫らす

高原賢治はそれを止めなかったが、露骨に不機嫌な顔をしていた。

山内隼人はわざと振り返り、彼に向けて挑発的な笑みを浮かべた。

平川希はすっかり呆れ果て、首を横に振りながら笑って言った。

「いっそ、二人で一発殴り合ってから行く?」

「それも悪くないな!」

平川希が山内隼人を見ると、この男は彼女の提案を聞いて瞳に興奮の笑みを浮かべ、高原賢治と一戦交えようと意気込んでいる。あまつさえ、本当に引き返そうとする始末だ。

平川希は慌てて山内隼人の服を掴み、外へ引っ張った。

「もう、早く帰ってよ」

「俺を追い出すのか?」

「二人が喧嘩し始めたら、私じゃ止められないからね」

少しは彼女の身...

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