第371章 平川希に代償を払わせる

山本綾乃は階段から転げ落ちていく人影を見て、恐怖のあまり口を覆った。

彼女は突き飛ばしてなどいない!

山本静香は狂ってしまったのだろうか?

首をすくめ、その場に完全に立ち尽くす山本綾乃。下でピクリとも動かなくなった山本静香を見下ろしながら、血まみれの包丁を握る自分の手がやけに熱く感じられた。

手が震え、握っていた包丁が床に落ちて耳障りな音を立てる。

凌太と由佳もこの光景を目の当たりにし、一瞬呆然としていた。彼らには、なぜこの悪いおばさんが、この瞬間になって命がけで自分たちを助けようとしたのか理解できなかった。

切迫した足音が遠くから近づいてくる。

山本綾乃は全身を強張らせ、警戒...

ログインして続きを読む