第380章 自分の身を守る

高原賢治はルームミラーをちらりと一瞥し、思わず車のスピードを落とした。

平川希はふうっと小さく息を吐き出し、二人の子供たちを優しく撫でながら、何かを考え込むように重い表情を浮かべていた。

唇を引き結び、高原賢治は眉をひそめて口を開いた。

「何に悩んでいるんだ?」

物思いにふけっていた平川希は、突然の彼の声にビクッと肩を揺らした。

彼女は気を取り直し、伏し目がちに答える。

「なんでもないわ。ただ、今日病院で変な人に会ってね」

「変な人?」

「ええ。この前、私の車にぶつかってきた人たち、覚えている?」

その言葉に、高原賢治は視線を上げ、ルームミラー越しに彼女を見つめた。

「あ...

ログインして続きを読む