第221章

最初、高槻元成は江崎鏡のことなど眼中になかった。だが、彼女がその一言を口にした途端、高槻家の三人はそろって言葉を失い、互いの顔を見合わせたあと、示し合わせたようにもう一人の「外の姓」を持つ人間へ視線を向ける。

「あなた、誰?」

真っ先に問いかけたのはアリスだった。

江崎鏡はその声を受けても動じず、まっすぐ彼女のほうへ歩み寄る。両腕を軽く広げ、抱擁を求める仕草まで添えて。

「あなたがエラスの妹さんですね?」

「小さいころから海外で育ったって聞きました。なら、挨拶も向こうの作法のほうが自然でしょう?」

「はじめまして。江崎と申します。……一度、ハグさせてくださいね」

そう言い終える...

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