第225章

江崎鏡はほとんど勢いのまま、マンションのエントランスから高橋さやかの部屋まで突っ込んだ。後ろでは古村陽平が、なぜか転ばないかとやたら心配して、ぴたりと付き添いながらぶつぶつ言い続けている。

「高橋さやかは大丈夫だろ。あいつの戦闘力、疑ってんのか?」

それは、まあ……そうだ。

江崎鏡が高橋さやかと知り合ってから、彼女が誰かに一方的にやられているところなんて見たことがない。いつだって、相手を手のひらで転がすのは高橋さやかのほうだった。

――それでも江崎鏡は焦っていた。

今回は感情の問題だ。恋愛ごとになると、女はどうしたって損をする。そういう場面を江崎鏡は何度も見てきたし、それが彼女なり...

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