第226章

江崎鏡は、古村陽平が自分を見下しているのだと痛いほど感じていた。

むっとして、冷たい視線をひとつ投げる。遠慮もなく言い放つ。

「その汚い口、閉じて」

反論が飛んでくると思った。立ち上がって机でも叩きそうな勢いで、怒鳴り返してくると――そう身構えたのに。

古村陽平は、本当に口を閉ざした。

高橋さやかは、目の前で応酬する二人を見ながら、世界がひっくり返ったみたいだと思う。

……とはいえ。

高橋さやかは、あの「クズ男」のことが、まだ少しだけ名残惜しかった。

三日間、朝から晩まで一緒にいたのだ。気持ちが一番浮かれて、甘く蕩けるはずのタイミングで、まさかの別れの手紙。

高橋さやかにと...

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