第227章

「高橋さやか……あんた、言えば言うほど話が飛んでる」

江崎鏡はそれを聞いた瞬間、頬がさっと桜色に染まった。恥ずかしさが先に立って、反論したい気持ちまで湧いてくる。

古村陽平が、わたしを好き?

そんなの、荒唐無稽だ。世界の終わりでも来ない限り、ありえない。

彼が好きだったのは江崎清だ。

たとえ今はもう違うとしても、その感情がこちらへ移るなんて、どう考えても起こり得ない。

「鏡、どうしていつも二人の気持ちを否定するの?」

高橋さやかの問いは、鏡自身も何度も自分に投げてきたものだった。

そもそも、同じ道を歩く相手じゃない。鏡はそう思っている。

古村陽平が求めるのは、甘えて頼ってく...

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