第235章

「えっと……聞きたいんだけど。新しい住所って、どこ?」

口にした瞬間、我ながら少し気まずい。

けれど江崎鏡が予想していなかったのは、もっと気まずいことがこの先に待っていた、ということだった。

古村陽平に電話をかけた頃には、彼はすでに高橋さやかの家の前に着いていた。私服姿で、足元は動きやすいスニーカー。そんな格好で現れた古村陽平に、鏡は思わず固まってしまい、しばらく動けなかった。

「どうしたんだよ、鏡。ぼーっとして」

「意外だった?」

鏡が台所で古村陽平に水を注いでいると、横から高橋さやかが眉を上げてからかってくる。

「ほらね。わたしの勘が外れたって言うなら、今のうちに言っときな...

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