第237章

そう思い立つと、江崎鏡は警備の隙を見て、体の小ささを利してするりと中へ滑り込んだ。

その頃、古村陽平は寝室で書類に目を通していた。物音に気づくと、深く息を吸い込み、手にしていたペンを置く。

直後、江崎鏡が勢いよく飛び込んできた。警備が慌てて後を追い、口を開けば謝罪ばかりが転がる。

「奥様、そんな……それじゃあ俺が困ります……」

「旦那様、違うんです。奥様を入れたのは俺じゃなくて……本当に、奥様が勝手に……」

警備は本気で板挟みだった。

古村陽平にも江崎鏡にも、ひたすら頭を下げ続ける。

江崎鏡も気の毒には思った。けれど、今日はどうしても古村陽平に会うと決めていた。

この件は、ど...

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