第245章

江崎清が、そう簡単に負けを認めるはずがない。

彼女はずっと思っていた。あのときの自分は、誰にも気づかれないまま古村彩を地獄へ連れていきかけた。ならば今度だって、江崎鏡みたいな命知らずを閻魔の前まで引きずっていける、と。

ただ、まだ時期が来ていないだけ。準備が足りなかっただけだ。

江崎清には、その力がある。そう思い込んでいる。やる気になりさえすれば、誰だって自分の足元に転がる――。

電話が「パチン」と乾いた音を立てて切れた。

江崎清は悟る。古村恵子は当てにならない。

ドアの外で泣きじゃくっている、弱くて役立たずの江崎玉子も当てにならない。

頼れるのは、自分だけ。

自分が動くとい...

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