第247章

時が経つのは早い。気づけば午前中はあっという間に過ぎていた。

江崎鏡は名残惜しそうに、秋澤月子の胸に長いこと身を寄せていた。月子に言われるまで、天野尋が病室の外でずっと待っていることにすら気づかなかったくらいだ。

今日の午前は非番。本来なら出勤する必要なんてなかった。

月子が目を覚まさなければ、家で寝ていられたはずだ。

――いや、正確には。

江崎鏡の母が目を覚ましたからこそ、彼は自分から名乗り出て、ここで見張り役を買って出たのだ。

秋澤月子は人生の先輩だ。天野尋の鏡への気持ちが、ただの同情や義理ではないことなど、一目で見抜いてしまう。

そして、ふと――自分の「金持ちの婿」の顔が...

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