第261章

こうして、江崎明は完全敗訴となった。

負けっぷりが惨憺たるものだっただけではない。名声まで、まとめて地に落ちた。

ネット上では彼を罵倒する声が後を絶たず、江崎家の門前には記者が入れ替わり立ち替わり押しかけた。江崎玉子も江崎清も、帰宅するだけで囲まれる始末だ。

マンションの警備員が間に入ってくれなければ、母娘が卵でも投げつけられてもおかしくなかっただろう。

それだけではない。今回の公判の余波で江崎グループの株価は大きく下がり、騒ぎは膨らむ一方だった。社員の退職が相次ぎ、工場も巻き添えで操業停止に追い込まれる。

要するに――この一局、江崎明は徹底的に秋澤月子に叩きのめされたのだ。

一...

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