第269章

「おやおや、わたしが――わたしがやりますよ。若奥様、いったいどれほど買ってこられたんです。若奥様こそ、お疲れさまでございます」

江崎鏡が車のトランクいっぱいに荷物を積んで戻ってくるのを見るなり、木崎さんは慌てて人を呼び、受け取らせた。

「大したものじゃありません、木崎さん。適当に買っただけですから、皆さんで手分けして片づけてください」

それから、ふと思い出したように言い添える。

「それと、おじいさまに良いお茶を二箱。寒くなってきましたし、夜は淹れて差し上げてください。身体が温まりますから」

――なんて出来た子だろう。

木崎さんは、古村おじいさんの人を見る目に改めて胸が熱くなった。...

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