第274章

「……おまえ……」

江崎鏡は古村陽平の腕を引き、会場を離れようとした。その瞬間、秋山紫の――怒りで青筋ならぬ緑筋でも立ちそうな顔が目に入る。しかも、本人が着ているのは芝生みたいに青々したスパンコールのドレス。悪趣味の見本市みたいで、逆に味がある。

「おまえ、なんであんなのと口げんかしてんだよ」

休憩スペースに腰を下ろすなり、鏡は反射的に陽平を叱りつけた。

「今日は高槻元成さんのホームでしょう。来る前に何度言いました? メディアも呼んでるって。あなたは古村家の社長で、みんなが見てるんです。写真でも撮られて、都合よく切り取られて拡散されたらどうするんですか」

「おじいさまはもう驚かせら...

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