第291章

天野尋と合流したころには、星野市を抜けて、もう県境に差しかかっていた。

道は狭く、カーブも多い。運転はいつも以上に神経を使う。

江崎鏡は自分がハンドルを握るつもりだった。男連中に混じっても運転には自信がある。けれど古村陽平と天野尋が顔を合わせた瞬間、なぜか張り合いが始まってしまった。

「俺が運転する。腕はいい」

「へえ。まるでここにいる誰かの腕が悪いみたいな言い方だな。お前が目立つ番ってわけ?」

「……そういう意味じゃない」

「じゃあ、どういう意味だ」

「古村陽平、いい加減にして。鏡はあなたと一緒に何日も動き回って疲れてるんです。あなたも休むべきです」

「はあ? 天野尋、言い...

ログインして続きを読む