第307章

古村恵子を見ていると、つくづく思う。悪いことをするのが、もう癖になっているのだと。

平然としているどころか、いちばん厄介なのは、顔色ひとつ変えないところだった。秋澤月子に責め立てられても、まるで他人事みたいに、鼻でふんと笑って言い返す。

「秋澤月子、言うなら良心と証拠を出してからにしなさいよ。口だけで好き勝手言われても困るわ」

証拠……。

その言葉で、秋澤月子ははっとする。あの女は、とっくに証拠を暖炉に放り込んで燃やしてしまっている。台所のあたりに監視カメラはない。目撃者も、彼女ひとり。

「証拠、ないんでしょ?」

古村恵子は、秋澤月子の魂が抜けたような顔を見て、勝ちを確信したのだ...

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