第319章

「お母さん、あなた……」

「いつまで隠すつもり?」

秋澤月子は正義を振りかざすような顔つきで、まっすぐこちらを見据えていた。

江崎鏡は、以前病院で受け取った妊娠の検査結果が寝室に置いたままだったことを思い出す。胸の奥がひやりと冷え、何かが繋がった。慎重に探りを入れようと口を開きかけた、そのとき――。

秋澤月子の目元が、じわりと赤く滲んでいた。

「お母さん……言うつもりでした。ただ、ずっとタイミングがなくて……」

鏡の声が小さく震える。隠してきた真実は、いずれ必ず浮かび上がる。そう分かっていた。

月子も深く息を吸い、必死に感情を整える。

「鏡。わたしはあなたの母親よ。高橋さやか...

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