第321章

「木崎さん、いま何と……? そんなこと、あるんですか?」

この数日、江崎鏡は相変わらずJMジュエリーに出勤していなかった。

葉山――雲市を何日も行き来して、さすがに身体がきつい。だから家で少し休もうと思ったのだ。

時間ができれば病院へ行って祖父の様子を見て、それから古村家にも顔を出して古村陽平を手伝う。

陽平が最近どれほど追い詰められているかは、鏡にも痛いほど分かっていた。離婚の話も、結局は先延ばしにするしかない。

そのうえ母はここ数日、警察に呼び出され続けている。例の「傷害」だとかいう容疑のせいで。

お腹の子が言うことを聞かず、つわりがひどくなければ――鏡は本家に乗り込んで、古...

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