第324章

「そう? 日曜に何があるのか、わたしも知らないわ」

村雨茜はすぐさま電話をかけ直し、相手は江崎鏡だった。

茜は思ったことを溜め込めない性分だ。まして古村陽平の妻である鏡に対しては、遠慮なく愚痴が噴き出す。

「古村陽平にドタキャンされたの、これ一回や二回じゃないのよ。鏡、ひどくない?」

受話器の向こうで、江崎鏡がふっと笑う。

実のところ、鏡も古村陽平が日曜の時間を空けて何をするつもりなのか知らなかった。茜も把握していないらしい。気になっても、鏡はあえて聞かなかった。

本来なら古村家はここ最近、てんてこ舞いのはずだ。古村陽平はこの数日、オフィスに泊まり込んでいる。

それを思うと鏡は...

ログインして続きを読む