第340章

病院の廊下。突き当たりの窓枠から差し込む陽射しが、江崎鏡の横顔を白く照らしていた。もう午後も遅いはずなのに、光はやけに強くて、目の奥がひりつく。痛みで涙が止まらなかった。

葉山言は、江崎鏡がこれほどまでに卑屈で、これほどまでに苦しんでいる姿を初めて見た。胸の奥をえぐられたみたいに、息が詰まる。

鏡はぶるぶると震えながら手を上げ、流れるように古村彩の手を掴んだ。桜色の唇も震え、赤く腫れた瞳にまた涙が溜まる。豆粒みたいな雫が、青白い頬を転がって、ぽとぽと落ちた。

懇願していた。

「彩……お願い。……お願い、わたしが悪いから。ここにいさせて。お兄さんの邪魔はしない。見てるだけでいいの。目を...

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