第341章

とりわけ、江崎鏡が病室でひとり傷心しているというのに、夫の実家の人間は誰ひとりとしてまともな顔ひとつ見せない。その光景を前にして、秋澤月子は取り繕うのをやめ、声を落として憤然と言い放った。

「警告しておくわ。うちの娘の前で、これ以上ふてくされた顔をしないで。あなたたちの家なんて、別にありがたくも何ともない。鏡が陽平さんにまだ情があるから黙ってるだけよ。そうじゃなければ、とっくに離婚させてる。あなたたちからも、古村家からも、遠ざけてるわ」

秋澤月子の言葉は、耳触りだけはやけにいい。

古村恵子は、思わず媚びた笑い声を漏らした。

「秋澤月子。自分でそれ、信じてるの?」

「古村家なんて眼中...

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