第343章

口にした言葉が、そのまま現実になる。そんなつもりじゃなかったのに。

だから江崎清は、怒りの矛先を父に向けるしかなかった。父が憎かった。

今になって、江崎鏡が言っていたあの言葉の意味が、骨身にしみてわかる。

「いい気にならないで。江崎明は、今日わたしと母さんを捨てられたんだから、明日にはあんたとあんたの母親だって捨てられる」

「この人の目にあるのは利益だけよ。ほかは、古いものが消えたら新しいものが入る――それだけ」

最初、江崎清はそれを、負け惜しみだと思っていた。

手に入らないからって酸っぱいブドウみたいに言ってるだけ。わざと、こちらの家族仲を茶化しているのだと。

けれど今となっ...

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