第344章

おじいさんの言葉は、どういう意味なんだろう。

まさか――自分を病床に追い込んだ犯人が誰なのか、もうわかっているってこと?

江崎鏡は、母から聞いたことがあった。すべては古村陽平の母親の仕業だ、と。けれど母は同時に、こうも言っていた。古村家は人を食い物にする巣窟で、正しいかどうかなんて問題じゃない。外から見える「家内安全」や「家がうまく回っている」体裁のほうが、ずっと大事にされる家なのだと。

だからこそ、古村恵子も、以前の古村彩も、好き放題に悪事を重ねてきた。

それでも古村おじいさんも古村陽平も、見て見ぬふりをした。片目をつぶって、何も見えていないかのように。

秋澤月子も言っていた。古...

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