第356章

江崎鏡は、斉藤月の言動がどうにも腑に落ちなかった。

それ以上に、なぜ急に古村陽平の肩を持つようなことを言うのかが理解できない。鏡は小首をかしげ、取り繕うのをやめて率直に問いかけた。

「わたしに何の用ですか」

「古村陽平に、何か言われたのか?」

――わたしの悪口でも?

――それとも、この関係は最初から間違いだった、とでも?

何を言われたにせよ、古村陽平が自分を褒めるはずがない。きっと彼は、もうとっくに失望しきっている。そんな思いを抱えたまま、鏡は斉藤月を見据えた。

斉藤月ははっきりとは答えなかったが、鏡が不快に感じていることは察したらしい。流れに沿うように、穏やかに言い添える。

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