第358章

宝飾展が終わってからというもの、江崎鏡はずっと考えていた。高槻お爺さんのために、いったいどんなネックレスを二本デザインすればいいのか、と。

幸い、高槻お爺さんはわざわざ念を押してくれていた。二本とも、彼の孫娘ふたりへの贈り物だという。

エラスとアリス。

ふたりは長く海外で暮らしている。華やかなネックレスなんて見慣れているだろうし、珍しいものだってそうそう不足していないはずだ。だからこそ、ありきたりではなく、もっと丁寧に、心を込めて仕上げたい――鏡はそう結論づけた。

寝室にこもってラフを描いていると、コンコン、とノックがして、秋澤月子が入ってきた。

果物の皿と牛乳を一杯。子どもの頃と...

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