第366章

時々、江崎鏡は自分と古村陽平の関係を、どう言い表せばいいのか本気で分からなくなる。

表面上は夫婦の体裁を保っているのに、心はとっくに離れていて、もうすぐそれぞれの道を歩くはずだった。財産の分け方だって、揉める気力すらない。

なのに昨夜、二人は同じ場所で夜を明かしている。

古村陽平がこちらをじっと見ていた。愛車のスーパーカーにもたれ、光のない目をしている――そう見えたのに、よく見れば、言葉にできない色が瞳の奥をさっと横切った。

江崎鏡は深く息を吸い、前へ進む。古村陽平もゆっくりと歩み寄ってきた。

「鏡……」

同情もある。心配もある。けれど、この曖昧な関係がいつまで続くのか分からない...

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