第372章

反応するより先に、江崎鏡はようやく気づいた。高槻家と古村家は昔からの付き合いがある。しかも高槻元成と古村陽平の父親同士は、かなり親しい友人だったという。高槻家の事情を、古村のおじいさんが知らないはずがない。

案の定、古村のおじいさんは彼女に、ゆっくりと言い聞かせるように語り始めた。

「高槻家では小さな娘が行方不明になったことがある。わしらくらいの歳で、高槻家と関わりがあった者なら、ほとんど知っとる話じゃ。斉藤月のおばあさんも知っとるだろう……」

「昌弘さんにとっては、ずっと心の結び目みたいなもんでな。何十年も解けとらん。わしらも力になりたかったが、どこから手をつければいいか分からんかっ...

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