第373章

空はすっかり暮れかけ、もうすぐ正月ということもあって、街はやけに賑わっていた。

大型イベントが次から次へと打たれ、どの大型商業施設も人で溢れ返っている。秋澤月子は道中、渋滞に巻き込まれて長いこと身動きが取れなかった。その間に孤児院から催促の電話が何度も入ったらしいが、月子の携帯は電池切れで受けられない。

そんな行き違いのせいで、院長は月子が約束を反故にしたのだと思い込み、そのまま高槻昌弘へ伝えてしまった。高槻昌弘はその時点で、すでに丸一日、孤児院の椅子に座り続けていた。

望みはひとつだけだ。娘に、一刻も早く会いたい。

けれど現実は、皮肉だった。

彼が会いたいと思っても、娘が会いたい...

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