第381章

だが、そんなことよりも。江崎鏡の胸をいちばん強く締めつけたのは、エラスが口にした、あの一言だった――

「……もう、もたない」

古村陽平がなぜまた高槻家と揉めたのか、江崎鏡にはわからない。けれどエラスの言い方からして、今回はいつもと違う。古村陽平はまるで命を投げ出すみたいに、無茶をしている。

理由なんて、どうでもよかった。

母親を失うわけにはいかない。同じくらい、古村陽平も失えない。

何度も何度も絡まり合って、どこにも線を引けないまま。それでも認めざるを得なかった。自分は古村陽平を愛している。彼が死ぬのを黙って見ていられるはずがない。

頭の奥がぶわっと鳴って、視界が真っ白になった。...

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