第382章

「言わないなら、それでいいわ。わたしだって無理に聞き出したりはしません。……あの人のこと、ちゃんと見てあげて。わたしは先に帰る」

江崎鏡の声は、冷たいほど淡々としていた。

葉山は話を聞き、古村陽平のことを不憫に思わずにはいられなかった。

逡巡することしばらく。江崎鏡が数歩先へ行ったところで、葉山言はふいに口を開いた。遠回しな言い方はしない。

「奥様!」

「奥様はご存じないかもしれません。奥様のお母様に何かあったのに、古村社長がすぐ駆けつけなかった理由も。古村社長がどうして突然、高槻家に現れたのかも……。社長は最初から気づいていたんです。空港から直接、病院へ向かわれました。ただ、奥様...

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