第385章

「わ、わたし……まだ帰国したばかりなんだから、当然用事くらいあるわよ。家にも戻らなきゃいけないし、そんな暇ないの!」

「あなたはここに残って。あとでまた陽平兄さんの様子を見に来るから、ちゃんと面倒見てあげてね!」

葉山言を突っぱねると、江崎清はバッグをひっつかむようにして、そそくさと出ていった。

後ろめたさが顔にべったり貼りついている。金の話になった途端、取り繕う気すら失せたらしい。

要するに、ここに残って一円でも余計に払う羽目になるのが怖いのだ。

狼犬にしつけられた人間は、良くも悪くもその影響が身につく。今の葉山言みたいに。

葉山言はとっくに江崎清の腹を見抜いていた。だから追い...

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