第386章

あいつは、あの頃の江崎鏡の父親と何が違うっていうの?

かつての江崎清は、両親から惜しみない愛情を注がれて育った。自分は江崎鏡とは違う人間だと信じていたし、父の江崎明が母娘に冷たかったとしても、それは全部こちら側に原因があるのだとさえ思い込んでいた。

けれど今となっては、はっきりしている。悪いのは江崎明だ。あの男は風見鶏で、恩も情けも分からない。

怒りが頭のてっぺんまで駆け上がった瞬間、江崎清はあの犬畜生どもに遠慮する気なんて欠片もなくなった。そこらにあった服をひっつかむと、何の前触れもなく、物音の絶えない寝室へずかずか踏み込む。

情に溺れていた二人は、侵入者を見て一瞬固まった。江崎明...

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