第389章

江崎清の双眸に宿る怨嗟。隠しようもない敵意が、まるで烈火みたいに燃え盛っていた。

江崎明はそこでようやく気づく。――自分は、本当にすべてを失ったのかもしれない。そう思った瞬間、胸の奥がきゅっと締めつけられた。

江崎鏡は大勢の前で、この父親を追い出した。いままた江崎清まで同じことをする。血を分けた娘が二人とも、たった一人の女をきっかけに、怒りと憎しみを自分へ向けている。

理解できない。それでも江崎明は、家で起きたあの場面を説明しようと口を開きかけた。

そのとき、江崎清の表情がふっと変わり、彼の背後へ視線を投げた。

江崎明もつられて振り返る。現れたのは天野尋だった。切羽詰まった顔で、父...

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